
西織 浩信
Boston University School of Medicine Anatomy and Neurobiology
千葉大学 心臓血管外科
- Career
- 千葉大学医学部卒業 聖路加国際病院初期研修医
- 千葉大学医学部附属病院 心臓血管外科
- 成田赤十字病院 心臓血管外科
- 千葉県こども病院 心臓血管外科
- 千葉県救急医療センター 心臓血管外科
- 千葉大学医学部附属病院 心臓血管外科
- Boston University School of Medicine, Anatomy and Neurobiology
Question 01
心臓血管外科を選んだ理由は?
学生時代に、重症心不全の患者さんに対するVAD植込み手術と、その術前説明を見学したことがきっかけです。重症の患者さんを自らの手で回復へ導くことのできる心臓血管外科に、強い魅力を感じました。
初期研修医になって循環器内科をローテートした際には、カテーテル治療や循環器学の学問的な面白さにも惹かれました。しかし、やはり自分にとっては心臓外科手術の技術的な魅力に勝るものはなく、最終的に心臓血管外科を選択しました。

Question 02
最初の数年で苦労したことは?
最初の数年間は、学ぶべきことの多さに圧倒され、目の前の仕事に必死で取り組む日々だったように思います。初期研修を終えた直後から大学病院で重症患者の全身管理を担い、心臓血管外科手術の手技についても一から学ぶことばかりで、日々の業務に慣れるだけで精一杯でした。しかしそれらの経験のおかげで少しずつ心臓血管外科の業務にも慣れることができ、市中病院やこども病院とさまざまな施設で経験を積み、成人の一般開心術から、先天性心疾患や成人先天性心疾患の手術・診療も経験することができました。また、論文執筆にも最初は苦労しましたが、慣れると書くスピードも早くなり、ケースレポートや原著論文の執筆、海外学会での発表を経験することができました。プライベートでは子どもが2人生まれ、気づけば30代に突入していました。日々を一生懸命に過ごしているうちに、本当にあっという間に時間が過ぎていましたが、学んだことは数え切れないほど多く、とても充実した日々だったと思います。

Question 03
現在どこでどのような仕事をしていますか?
2025年からBoston University, School of Medicine, Department of Anatomy and Neurobiologyでpostdoctoral research fellowとして基礎研究に従事しています。研究内容としては小児ブタモデルを用いて、人工心肺の使用が脳や心臓の発達に与える影響についてのtranslational researchをしてます。大動物の管理から手術(挿管麻酔、ライン採取から全て自前で行います)、研究手技全般(組織処理、Slice、免疫染色、Langendorff還流,、Optical mapping、Single-nuclear RNA sequencing、PBMC分離、Confocal microscopeの操作、Figure作成、統計解析etc…)などこれまた一から勉強でしたが、充実した日々を過ごしています。1年を過ぎてからは自分の下に学生インターンがつくようになり、手技を教えつつ研究を手伝ってもらうことで、自分の学びにもなっています。ボストンには日本人研究者が多く、研究会や懇親会、スポーツなど本当に多くのネットワーキングの機会があります。

Question 04
休日、当直
日本では、当直は月3〜8回くらいのペースでした。研究中心の今は、土日完全フリーで、平日は9時〜18時程度の働き方をしており、実験の状況によっては週末ラボに寄ったりしています。

Question 05
これまで転機になった出来事は?
一つは2020年からU-40関東甲信越支部の幹事として活動させて頂いたことです。他施設の先生方と知り合う機会に恵まれ、毎回お会いするたびにモチベーションを高めることができました。もう一つは留学を決断したことです。もともと海外で臨床含めた心臓血管外科のトレーニングを受けたいと考えていました。医師5年目の時、現在所属している研究室の教授が、以前私と同じ病院で以前働いていたご縁もあり、先輩からの紹介を通じてインタビューの機会をいただきました。その後連絡を取り続け、給料含めて具体的なポジションを提示してくれた現在のラボに行くことを決め、大学院在学中の医師9年目に渡米に至りました。心臓外科医としてのキャリア、家族、金銭面など、色々考えるべきことがあり勇気がいる決断ではありましたが、来てみると、楽しい経験・辛い経験も含め、自分の世界が広がり非常に貴重な機会になったと感じています。

Question 06
心臓血管外科ならではの魅力は?
やはり、手術を通じて循環器疾患に対して劇的な治療を行えることだと思います。重症の患者さんに手術を行い、救命することができた時のやりがいは、何ものにも代え難いものがあります。
Question 07
心臓血管外科を志す医学生や若手医師にひとこと
心臓血管外科には大変なイメージがあると思いますし、実際に大変な面もあります。ただ、一生懸命に取り組んでいると、思っている以上に周囲の先生方が支えてくださいますし、多くの先生とのご縁に助けていただきながら、キャリアを築いていけると思います。もし「やってみたい」という強い気持ちがあるのであれば、ぜひ飛び込んでみてください。私自身もまだまだ修行中の身ですが、今後そのような若い先生方の力になれるよう、自分自身をさらに高めていきたいと思っています。一緒に頑張っていきましょう。